キャンドルについて

日本で養蜂が始まったのは明治時代だった為、それまで蜜蝋キャンドルは使う習慣はありませんでした。ウルシやハゼの実から採取した木蝋を使った「和ろうそく」が室町時代頃から使われ、江戸時代に普及しました。が、庶民には高価なものであったため植物油や動物脂に灯心を浸して明かりをとっていました。
今日本で市販されているキャンドルのほとんどは石油精製品のパラフィンという素材でできています。質のよいものであれば身体への影響はありませんが粗悪なパラフィンを使ったキャンドルは嫌な臭いがしたり、有害性の物質を発生させる恐れがあり、人体や環境に悪影響を及ぼす可能性があります。

現在でも蜜蝋は高価で国内生産量も少ない為、蜜蝋キャンドルは一般的とはいえません。養蜂家にとって蜜蝋をとるのは手間がかかる割に利益があまりないという現状もあるようです。が、古い巣板を定期的に交換することはミツバチの健康の為にもよいことなので蜜蝋をもっと生産利用したいですね。

蜜蝋キャンドルは太陽のあかり

みつばちがたくさんの花を回って蜂蜜を作り、蜜蝋を作る。その花が咲く為には太陽や雨や土やその他の生き物たちの働きが欠かせません。
蜜蝋キャンドルのオレンジ色に輝く炎を眺めていると、闇を照らすあかりの向こう側にそれらの大きなつながり見えるのです。目の前のロウソクになるまでに経た時の流れが、揺れる炎が作り出す空間をよりいっそうゆったりとしたものにしてくれます。古代から続く蜜蝋キャンドルのあかりは自然の力の賜物です。ぜひ灯して特別な時間を過ごしてみてくださいね。